事業・製品
VOC濃縮装置
特長
1. 最大30 倍濃縮
2. 排ガスに含まれるVOCを99 %除去可能
3. シリコンフリー対応可能
4. 高沸点物質対応可能
VOCとは
VOC :(Volatile Organic Compounds(揮発性有機化合物))
例)トルエン、ベンゼン、エタノール等
VOCは、浮遊粒子状物質(SPM)、光化学オキシダント、悪臭等を発生する大気汚染物質のひとつです。
人体に被害を及ぼすため、多くの国々でVOC排出に関する法規制が敷かれています。
VOC排ガス発生工程
- 塗装、印刷、コーティング等の過程
- VOCを含む化学物質や原材料を使用する製造工場
VOC排ガス処理方法
一般的な方法は燃焼方法です。燃焼法は、工場の排ガス処理などに多く利用されておりVOC中の炭素を酸化してCO2に分解・処理する方法で、「直接燃焼法」「蓄熱燃焼法」「触媒燃焼法」に分類できます。
VOC濃縮装置とは
VOC濃縮装置はVOCを含む排ガスを高濃度に濃縮する装置です。
VOC濃縮装置原理
VOC濃縮装置導入のメリット
- ■ 燃焼装置の小型化(ランニングコスト、イニシャルコスト減)
- ■ 燃料消費にかかる燃焼装置1 台当たりの年間CO2排出量削減
排ガス中に含まれるVOCが低濃度の場合、そのまま燃焼装置で燃焼させると、燃焼装置の設備が非常に大規模になるばかりでなく、膨大なランニングコストがかかります。そこで、VOC濃縮装置で排ガスを濃縮することで、燃焼装置の小型化が可能となります。また、排ガスが高濃度になることで燃焼消費のランニングコストが減少し、年間CO2排出量を削減可能です。
VOC濃縮カセット
構成部品:濃縮ロータ、エアシール、駆動部
VOC濃縮ユニット
構成部品:濃縮ロータ、エアシール、駆動部、ブレナムチャンバー、ダクト口
仕様
型式 | 処理ガス量※1 | ユニット外形寸法(mm) | 質量(kg) | ロータ駆動用※2
モーター出力(kW)
|
|||
---|---|---|---|---|---|---|---|
(Nm3/h) | (SCFM) | 奥行 A | 幅 B | 高さ H | |||
VMU- 965V40 | 6,400 | 4,100 | 1,200 | 1,940 | 1,275 | 700 | 0.1 |
VMU-1220V40 | 10,800 | 6,800 | 1,500 | 1,940 | 1,600 | 900 | 0.1 |
VMU-1525V40 | 17,000 | 10,800 | 1,750 | 1,940 | 1,850 | 1,250 | 0.1 |
VMU-1730V40 | 22,000 | 13,900 | 1,950 | 1,940 | 2,050 | 1,350 | 0.1 |
VMU-1940V40 | 27,500 | 17,400 | 2,150 | 1,940 | 2,250 | 1,750 | 0.1 |
VMU-2190V40 | 35,000 | 22,200 | 2,400 | 2,000 | 2,500 | 2,400 | 0.1 |
VMU-2450V40 | 44,000 | 27,900 | 2,700 | 2,000 | 2,825 | 2,900 | 0.2 |
VMU-2650V40 | 52,000 | 33,000 | 2,900 | 2,000 | 3,025 | 3,200 | 0.2 |
VMU-2950V40 | 65,000 | 41,200 | 3,250 | 2,000 | 3,375 | 3,800 | 0.2 |
VMU-3250V40 | 78,000 | 49,500 | 3,600 | 2,000 | 3,750 | 4,850 | 0.4 |
VMU-3550V40 | 94,000 | 59,600 | 3,950 | 2,000 | 4,100 | 5,300 | 0.4 |
VMU-3750V40 | 105,000 | 66,600 | 4,200 | 2,000 | 4,350 | 6,000 | 0.4 |
VMU-3950V40 | 117,000 | 74,200 | 4,400 | 2,000 | 4,550 | 6,350 | 0.4 |
VMU-4250V40 | 136,000 | 86,200 | 4,700 | 2,000 | 4,850 | 6,950 | 0.4 |
※1:ガス量はローター全面風速が3.0Nm/s、ゾーン分割10:1:1。 10 倍濃縮時の値です。
※2:モーターは非防爆方とします。防爆方は、各国規格に適合したオプションで供給可能です。
オプション
お客様の使用条件にフィットするご提案をいたしますので、詳細についてはご相談ください。
1. シリコンの使用が制限される場合
自動車塗装などの塗装工程や、VOC 処理後の後工程で触媒を使用する場合は、品質に影響を及ぼすため、シリコン制限を求められます。
Zタイプ:ゼロシリコン仕様
有機シリコンおよび塗装品質に影響を与える材料を不使用。使用部材すべてにおいて、評価を行い、完全性を確認した特別仕様です。
Cタイプ:低シリコン仕様
シリコン製品に含まれる揮発性の高い有機シリコンに着目。これらを削減することでリーズナブルな解決を提案するタイプです。
2. 高沸点VOCが含まれる場合
処理空気に高沸点VOCが含まれている場合、通常の再生温度では脱着されない成分が残り、ロータ性能劣化の原因となります。これを防止するために、オプションとして300 ℃での高温再生処理に対応するKタイプ(常時高温処理)およびHタイプ(定期高温処理)をご用意しています。
Kタイプ:常時高温再生
高沸点VOCが主成分として処理空気に含まれる場合の解決方法です。
Hタイプ:定期高温再生
定期的(通常3 ヶ月に1 回程度)に高温賦活処理を行い、高沸点VOCの蓄積を防止します。
3.目詰まり対策ロータ
塗料やダストによるロータの目詰まりが発生するケースでは、
通常は端面より10 ㎜程度の範囲で留まります。
Rタイプ:端面部分のみ交換可能
ロータ端面部分を分割構造で製造しているので、目詰まりを起こした端面100 ㎜幅のみ交換が可能です。
さらに、分割されたブロックの交換となりますので、重機を使わず交換作業することが可能となり、作業コストの大幅な削減効果が期待できます。
用途
- 車載塗装
- リチウムイオン電池
- グラビア印刷
- 半導体製造
- 船舶塗装
- 大型研究施設